大きな災害が発生したとき、災害そのものの被害で亡くなってしまう方もいますが、災害からしばらくして災害が間接的な原因となって「二次災害」で亡くなってしまう方もいます。
この記事では、そんな二次災害について、二次災害とは何かということからその対策についてをご紹介します。
「二次災害」って?言葉の意味や具体例を知ろう
二次災害と聞いても、それが何を指すのかわからないという方も多いはず。二次災害は、辞書では「ある災害が起こった後に、それがもとになって起こる別の災害」(デジタル大辞泉)とされています。
二次災害とよばれる災害の3つの具体例
元となる災害がおさまり油断しやすい時に起きがちな二次災害。具体的な災害の例としては、
- 豪雨のため地盤が緩んで起こる土砂崩れ
- 地震でガス管が損壊したことによる爆発事故
- 救助隊の遭難や被災など
などが挙げられます。
明確にどこからどこまでが二次災害と定義することは難しいのですが、雨や地震など災害そのものが引き起こした被害ではなく、その災害が要因の一つとなって起きる被害のことだと考えると良いでしょう。
被災建築物の応急危険判定も二次災害を防ぐため
テレビで報道されることがある自治体によって行われる建物の「応急危険度判定」も、二次災害を防ぐための施策のひとつです。倒壊の危険がある建築物かどうかを専門家が判断しています。
「大地震」で想定される3つの二次災害と対策
大きな地震が起きたあとは、地震に誘発されて様々な二次災害が発生しやすくなります。大きな地震のあとは、強い余震などが起きる可能性も。
気持ちは動揺するかもしれませんが、冷静に行っておきたい二次災害対策についてご紹介します。
1.揺れがおさまり身の安全を確保したら「ガスとブレーカーを止める」
阪神淡路大震災などでも大きな被害を出した地震後の火災。地震後の火災によって、7,000棟を超える住宅、焼損面積にすると80万平方メートルを超える街並みが焼失しました。
建物の倒壊や、家具・家電が転倒、散乱する状況の中で、電気ストーブや照明器具が可燃物と接触してしまい、火災が発生し被害が出ました。
身の安全を第一に確保したら、ガスや電気のブレーカーを止めることで被害を最小限に抑えましょう。
2.地震のあとは断水も起きやすい!できる限り水を溜めて
大きな地震が起きると、水道管や上下水道の施設が被災し、水が出ない、トイレが使えないなど生活に支障が出る断水が起きる場合があります。
災害が起きて時間差があってから断水になることもあるので、水が出る場合はバケツや浴槽、ペットボトルなどにできる限りの水を溜めましょう。
飲料水は長期保存水を備えておいた方が無難
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災害後、水道から出る水には生活用水としては使用できても飲用には適さない不純物が入る可能性も。
IZAMESHIの島根県金城町の豊かな自然が育んだ天然水を地下300mからくみ上げて、そのままボトリングしている非加熱の天然弱アルカリイオン水「7年保存水」は、長期保存が可能な美味しい水なので備えておくといざという時も安心です。
3.停電になった時のために備えておきたいモノ
毎日の暮らしで、あることが当然すぎて意識すらもしていない「電気」が地震の際に止まることがあります。
発電所がストップしたり、電柱が倒れてしまったりなど原因は様々ですが何も対策をしていないとかなり困ってしまうもの。
最低限必要な非常用アイテムは家に備えておくと安心です。
懐中電灯はケガをしないためにも必須
暗い中で足元を照らしたり、ご飯を食べるときに部屋のライトの代わりとして使える懐中電灯は停電の時には必須アイテムといえます。
懐中電灯に合う電池も一緒に用意しておきましょう。
スマホの充電が無くなると困る!モバイルバッテリーが重宝
連絡手段としてや、情報を得る手段としても便利で災害時には欠かせない存在となるスマートフォン。
災害時はおのずと使用時間も増えるため、停電時に充電が少なくなっても困らないようモバイルバッテリーもあると良いでしょう。
災害時には前向きな気持ちも持ち合わせておきたい
街が停電すると泣けるぐらい綺麗に星が見える。 pic.twitter.com/ZoKOcdcYst
— kota (@ConaGraphic) September 5, 2018
2018年9月に起きた北海道胆振地震では、停電によって綺麗な星を見ることができたと星空を撮影し投稿されたSNSが、被災した人々を元気づけました。
普段の暮らしを送れず、辛い気持ちにもちろん蓋をしてはいけませんが、僅かでも前を向ける明るさがあるといいですね。
「豪雨」で想定される3つの二次災害と対策
平成最後の年も各地で多くの被害をもたらした大雨や台風による被害。特定の時間内に多量の雨が降ることで、河川の氾濫や浸水などの被害をもらたします。
さらにそれだけでなく、崖崩れや土砂災害などの二次災害が起きることもあるので注意が必要です。
1.大雨によって地盤が緩む「地滑り」に注意
傾斜のきつい斜面だけでなく、緩やかな斜面でも起きやすいのが「地滑り」です。
大雨や雪解けなどによって地下水の水量が増えることで地盤が緩み、柔らかくなった粘土層が地層ごと滑り落ちます。
悪天候の際は、自分の住む地域や、訪れる場所の地質も気をつけましょう。
2.交通事故が起きる可能性も!運転はなるべく控えて
大雨の時は、バケツをひっくり返したような雨と表現されることもあるように、ワイパーすらも効かず視界が遮られるため運転は避けた方が無難です。
視界が悪くなるだけでなく、エンジンが浸水して動けなくなったり、ブレーキが効きにくくなる恐れがあります。
3.洪水のあとは感染症などの予防も
特に海外などで多い被害ではありますが、洪水で下水道など綺麗でない汚染水が街に流れ込むことで、それらが傷口などに入り感染症などを引き起こす恐れもあります。
復旧作業を行い食事をする場合は特に、手洗いをしっかりしアルコール消毒するなどして常に清潔に保ちましょう。
「台風」で想定される2つの二次災害と対策
台風では大雨を伴うことも多いため、豪雨での対策と重複する部分もありますが、台風で特徴的なのは「強風・暴風」による二次災害です。
1.飛散物が危険!さらなる家屋や家財の被害を防ぐ
2018年の台風18号でも報道されていましたが、強風によってものが飛び窓ガラスを突き破って家の中に入ってくるという被害が起きました。
壊れた窓ガラスのすぐの修復はなかなか難しいもの。
雨が強ければ、割れた窓から雨が入ってきて家の中が水浸しになってしまうことも考えられます。被害を少しでも防ぐために、窓ガラスには飛散防止フィルムなどを貼って起きましょう。
2.強風による高潮は塩害の可能性も
台風が最接近する時刻が満潮時刻と重なれば、高潮によって上昇した水位とあいまって被害は拡大します。
平成11年の台風18号では、海水が海岸近くの農地に流れ込み作物が収穫できなくなるという被害も起きました。
高潮は、個人での簡易な対策は難しくなりますが、被害が予想される地域では行政などに要請をして防潮堤や水門などを設置できる場合があります。
「避難生活」で想定される3つの二次災害と対策
災害の被害によって自宅での生活が難しくなったり、危険が続く地域では避難を余儀なくされたりする場合もあります。避難所は安全かと思いきや、避難所でも起きる可能性のある二次災害も。
避難所で起きやすい二次災害についても、できる限りのリスク対策をしておきましょう。
1.夏場は「食中毒」や「急性胃腸炎」に注意
夏に災害が起きた場合、暑いところに放置された食事や中まで火が通っていない肉などを食べると食中毒になる可能性があります。
不特定多数の大勢の人がいて、トイレ・洗面所・調理場・ゴミ置き場などを共用で使う避難所ですが、手洗いやアルコール消毒などは必ず行い自分の身を守りましょう。
2.疲れ・ストレスのある状況では風邪をひきやすい
慣れない共同生活や、不安な状況の中で免疫力が落ちると風邪をひきやすくなります。
風邪をひいたかもしれないと思ったら暖かくして早めに休むほか、マスクをして新たに菌をもらうことを防いだり、周囲の人にうつさないようにする配慮が必要です。
3.復旧作業による熱中症にも気をつけて
体力が回復しきっていない状況で、猛暑の中作業すると普段よりも熱中症にかかりやすくなります。
こまめに水分補給をしたり、適切なタイミングと時間で休憩をしたりすることで防ぐことができます。
※上記公式リンク内の下部にある「熱中症ゼロへ」のページをご確認ください。
どんな簡単なことでも良いからイメージしてみよう
大きな災害時の二次災害を減らすポイントは、どんなに簡単なことや小さなことでもいいので、どんな被害が起きそうか・どんなものが必要になりそうかをイメージしておくことです。
自分の身の回りで起きそうな被害を少しでもイメージし対策ができれば、実際に災害が起きた時も被害や負担を減らすことができます。
テレビや新聞などの報道や、インターネットで出回っている情報なども参考にしながらできる身近なことから対策を始めてくださいね。
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