災害はいつ、どこで襲ってくるかわかりません。中でも、大雨や地震などで大きな被害をもたらしている土砂災害。家の近くに土砂崩れが起きそうな山がなくても気をつけたい災害です。
事前に知っておこう!土砂災害が起きやすい3つの状況
土砂災害は、いつどこで起きるか分かりませんが、起きる確率の高い場所や状況などはある程度研究が進んでいます。
自分の家の周りだけでなく、どういった場所で土砂災害が起きやすいのかを知っておきましょう。
1.大雨の時は要注意!油断せず早めの避難を
土砂災害の多くは大雨が原因で起こります。1時間に20mm以上、または降り始めてからの雨量が100mm以上になったら注意が必要です。
2.山に囲まれた谷の地形は土石流が起きやすい
土石流は、長雨や集中豪雨によって、土や石や岩が水と混じりあい大きな固まりになって、谷を削りながらどんどん大きくなって一気に下流へ流れ落ちる現象をいいます。
流れ落ちる土砂のスピードはは時速40〜50km。道路を走る自動車と同じくらいの速度で、容赦なく町を飲み込みます。
3.緩やかな斜面で「地すべり」が起きることも
傾斜のきつい斜面だけでなく、比較的傾斜が緩やかな斜面でも土砂災害は起きる可能性があります。緩やかな斜面でも起きやすいのが、「地すべり」です。
大雨や雪解けなどによって地下水の水量が増えることで地盤が緩み、柔らかくなった粘土層が地層ごと滑り落ちます。
悪天候の際は、自分の住む地域や、訪れる場所の地質も気をつけましょう。
土砂災害が起きる時に見られる3つの前兆
土砂災害の被害を防ぐには、まず自分自身や自分の家は大丈夫だという過信や思い込みを捨てること。どんな場所であれ、少しでも感じた異変は見過ごしてはいけません。
知っていれば早めに避難を始められ、命が助かることもあります。
1.「土石流」の前兆は普段とは違う音や川の水位
水と岩石が一緒になって下流に行くほど威力を増し、谷を削る土石流。
速いスピードで迫る濁流は普段とは異なる地鳴りの音や川の水位が急激に減るなどの異変が起きます。
谷になっている場所で起きやすいので、近くにいる場合は注意が必要です。
【土石流の前兆】
- 山鳴りがする
- 川の木が濁り流木が混ざる
- 川の水位が急に下がる
2.「崖崩れ」は崖から小石が落ちてくる
崖崩れは、雨だけが原因ではなく、山の斜面の地質が風化することや地震などによっても起こります。
崩れるスピードは非常に速いため、土砂崩れに気づいてからでは逃げきれないことも。
異変に気づいたら周囲や自治体にも知らせ避難を呼びかけましょう。
【土石流の前兆】
- 崖に亀裂ができる
- 崖から水が流れ出てくる
- 崖から小石が落ちてくる
3.「地滑り」の前兆は水が斜面からふき出す
地下水の水量が上がることなどによって起きる地滑りは、地面や地質に異変が起きることで気づける場合があります。また、井戸水を使用されている方は井戸水が濁るなどした場合は注意が必要です。
【地滑りの前兆】
- 地面にひび割れができる
- 斜面から水がふき出す
- 井戸水などが濁る
一刻も早く!土砂災害の避難時に取るべき3つの行動
異変に気づき、避難しようと思った場合はどのような場所にどうやって避難すべきなのでしょうか。土砂災害から避難する場合の心得や、準備しておきたいものなどについてご紹介します。
1.一刻も早く土砂災害警戒区域や土砂災害危険箇所から外に出る
注意報や警報が出たり、出ていなくても身の危険を感じたりした場合はなるべく早く警戒区域や危険箇所から外に出ましょう。
冠水している場合は、車で避難ができない場合がありますので、身体の不自由な方や高齢の方は特に早めの避難を行いましょう。
大雨になっている時は「長靴」は適さない
土砂災害が起きやすい状況の時は、大雨の時。雨なので足が濡れにくいようにお子様などに長靴を履かせたいと思うかもしれませんが、浸水してしまっている場所では長靴は浮力が強くまた脱げやすいため避難に向いていません。
避難の際には石や流れてきたものなどを踏んで怪我をしないように、履き慣れた底が厚めのスニーカーなどがおすすめです。
2.屋内に出られない場合は堅牢な建物の斜面と反対側の高階層へ
逃げ遅れてしまった、周囲がもうどうしても逃げられない状況だ。そんなやむを得ない場合は、建物の斜面とは反対側の2階以上の部屋へ移動しましょう。
土砂災害は地面に近いところから被害が起きますので、危険であることに変わりはないですが、被害の可能性をほんの少しだけでも減らすことができます。
3.避難バッグは両手がフリーになるリュックタイプで
食料なども含めた非常用品は、両手が空いている状態にするためにリュックへ入れるようにしましょう。たくさんのものを持ち出したくなりますが、素早く避難するためにも荷物は最小限にとどめましょう。
非常用品がまとめて入っている「防災セット」
非常用品を買い揃えるのは意外と大変ですよね。最近では、忙しい方でも便利な避難セットがリュックに入って販売されているものもあります。グッドデザイン賞も受賞した、スタイリッシュなデザインです。
事前に把握したい避難に関する3つの情報
自治体から出される情報の中には、災害の時に知っておくと役立つ情報があります。災害が起きる前に見ておきたい、土砂災害の避難に関する情報についてご紹介します。
1.住んでいる場所の危険度は「ハザードマップ」を見よう
国土交通省が提供する「重ねるハザードマップ」は自分が住む市町村を検索し、土砂災害・洪水・津波の危険性について簡単に調べることができます。
「わがまちハザードマップ」からは、各市町村が提供する様々な種類のハザードマップの閲覧も可能です。
2.土砂災害が起きた場所の「避難所」を把握
身の危険が迫った時に逃げ場となる避難所。自分の住む街で、自治体が指定している避難所はご存知でしょうか。
知らなかったという方や、出先にいる方も使える「Yahoo!天気・災害」の避難場所マップはブックマークをしておくと役立ちます。
すぐに取り出せるアプリも便利
「Yahoo!天気・災害」と同じような情報がアプリでも見られるのが「Yahoo!防災情報」です。ホーム画面にあることで、いつでも開けて安心です。プッシュ通知で災害の危険もお知らせしてくれます。
3.ケガをした場合の「救急病院」は知っていますか
もしも災害に遭い怪我をしてしまった際、救急車を呼ぶべき症状なのかそうでないのか、動転している中で判断するのは難しいですよね。
そんな時のために入れておきたいのが、消防庁が出している「Q助」というアプリです。
症状を入力していくと、緊急度に応じた必要な対応が示され、その後医療機関の検索やタクシー・ハイヤーなどの受診手段の検索も続けて可能です。
いつ来るかわからない「いつか」に備えて
土砂災害が起きやすい状況はある程度予測できるようになってきたとはいえ、いつどこで災害が起きるかということは誰にも分かりません。もしもの時のために、できることから備えていくことが大切です。
2018年も豪雨や地震などでたくさんの犠牲者を出した土砂災害。自分ごとと捉えて、出来る限りの対策を行いましょう。
こちらの記事も読まれています
[nlink url=”https://arvo.showcase-tv.com/31485/”] [nlink url=”https://arvo.showcase-tv.com/29762/”] [nlink url=”https://arvo.showcase-tv.com/30470/”]