冬の雪山に登る前に防災知識を!大切な8つの防寒・危険対策

冬の雪山に登る前に防災知識を!大切な8つの防寒・危険対策

冬のアウトドアは夏とはまた違った雰囲気で楽しいですよね。澄んだ空気と真っ白な雪に覆われた雪山の景色は神秘的でとっても綺麗。

ただし、自然災害の多い日本では雪山での防災対策もしっかりとする必要があります。暮らしの中でも役立つ、雪山での防災についてご紹介します。

「寒さ」を味方に!命に関わる大切な防寒2つのポイント

体温を低下させ、時に人の身体機能すら奪ってしまう「寒さ」は、雪山で最も注意しなければいけない危険のひとつ。慣れている人でも侮ってはいけません。

1.「風」を防いで体感温度を上げよう

気温とともに体温を下げる要因となるのが風です。同じ気温でも、風が強い日の方が寒く感じたという経験は日々の暮らしの中でもありますよね。

なるべく外気に直接触れる肌の面積を、帽子や手袋をはじめとした防寒グッズで防ぎましょう。

太い血管がある首はネックウォーマーで防寒

太い血管が通る首もとは、身体が体温を調節する上でも重要な部分です。ネックウォーマーで風を防ぎ、頭部は耳まで隠れるニット帽を着用!

ウィンドブレーカーはしっかりと首の周りを覆えるフードがついたものを選ぶと良いでしょう。

全身を温めるならホッカイロは腰に貼ると効果大

出典:amazon.co.jp

休憩時に防寒対策としてカイロを使う場合、腰に貼るのがおすすめです。太い血管があるため、効率よく熱が身体に伝わり身体全体が温まります。

雪山に行くときだけでなく、普段から使える生活の知恵です。

2.汗や溶けた雪による「水分」も体温を奪う

汗や雪などによって濡れることで、その水分が気化する際にも身体の熱は奪われます。インナーを選ぶ時は、保温性だけでなく「速乾性」や「吸湿性」にも注目して選ぶのがおすすめです。

インナータオルという身につけるタイプのタオルも販売されています。

寒さは敵にも味方にもなる

寒さは時として人の命を奪うこともありますが、素晴らしい雪景色の中での焚き火や温かなスープなどは夏には味わえない格別の体験。

しっかりと防寒をして、寒さを生かすことも考えたいですね。

「雪崩」の前兆を感じたら?被害に遭わないための2つの対策

最大で時速200kmもの速さで雪が斜面を滑り落ちてくる雪崩。険しい雪山だけでなく、スキーやスノーボード、温泉などの観光を楽しむような山でも気象条件によっては発生の危険があります。

雪崩が起きやすい条件や、起きた際に真っ先に取るべき行動についてご紹介します。

1.雪崩が起きそうな条件の時は近づかない!

雪崩の発生を完全に予測することはできません。ですが、過去の事例から雪崩が発生しやすい条件は研究されています。主に起きやすいのは、「寒い日のあとに大雪が降った時」「春先や降雨後で気温が上昇した時」などです。

ご自身のスケジュールなどもありますが、身を守るために危険な時は近づかないのも一つの対策です。

詳細は政府広報オンライン公式サイトへ

2.雪崩の発生に気づいたらとにかく逃げて

雪崩の発生に気づいたら、とにかく雪が降下してくる方向から走ったり、スキーやスノーボードなら直滑降でなるべく早いスピードで逃げること。

どうしても逃げきれないと思ったら、水の中で泳ぐようにもがいてなるべく表層に近い方へ行き、背中を丸めてお腹のあたりに空気の空間ができるようにすることで見つかるまでの時間の生存確率を少しでも上げましょう。

もしも雪崩に遭遇してしまった時のために

いつどこで起きるかわからない雪崩が起きた時、突然の雪崩で雪の中に埋まってしまった時のために備えて起きたい「雪崩ビーコン」は、持っていると遭難者の位置を教えてくれます。

雪崩の時は荷物と身体が離れてしまう場合もあるので、紐などで衣服から離れないように結んでおく必要があります。

方向が分からない?「遭難」しないための2つの対策

突然の吹雪や天候の悪化などによって、自分たちの現在地が分からなくなってしまうことも冬の雪山ではありうること。事態が起きてしまってからでは、手遅れになりかねません。

1.道に迷ったと思ったらすぐ止まって現在地確認

想定していた登山道と違うなど、少しでも違和感を感じたら焦らず一旦止まって地図やコンパス・高度計・GPSを使って現在地の把握につとめましょう。

しばらく進んでから引き返すことになってしまうと、体力も時間も奪われてしまいます。

普段は頼りになるスマホも寒さには弱い

普段から幾度となくわたしたちを助けてくれるスマホも、雪山の寒さの中では使い物にならないことも。

異常な早さで電池がなくなるため、位置情報などをスマホだけに頼るのはハイリスクです。

2.もしも電話が通じる場合はすぐに「110番」

まだスマホや携帯の電池が残っており、電波もある場合はすぐに「110番」に電話を。

110番、119番、118番には「緊急通報位置通知」という、通報するとGPS位置情報が自動で送信される機能があるので自分で正確な位置が分からなくても救助の手がかりになることがあります。

むやみに動かないこと&登山計画を家族に事前共有

遭難してしまったと気付いた場合は、決して焦って無茶な行動をせず助けを待ちましょう。パニックになると正しい判断もできなくなってしまうため危険です。

登山計画、登山届け、下山届けを日本全国どこでも提出でき、友人や家族と共有できる「コンパス」というサービスがあるのでこちらも活用を。

指定日時までに連絡がなければ、家族に警察や消防に届けを出してもらうなどのも対策も必要です。

オンラインで登山届けが出せる「コンパス」公式サイトはこちら

雪山で「怪我」や「体調不良」になった時の2つの対策

雪山は日常生活とは違う過酷な自然環境のため、どんなに慣れた人でも体調を崩してしまったり、足を取られて怪我をしてしまったりということも十分に考えられます。

まずは自分で簡単な手当をする方法と、自分たちではどうしようもなくなった時に助けを呼ぶ方法をご紹介します。

1.小さなけがの手当ができる「ファーストエイドキット」は持ち歩く

小さな擦り傷や切り傷、打撲などは最初の手当をしっかりと行うことでケガやキズの悪化を防ぐことができます。重量約300gでコンパクトなファーストエイドキットは、自信を過大評価せず持ち歩くようにしましょう。

2.体力の過信は禁物!山小屋などできちんと休息を

緊張感や疲労から、山の中では体調を崩しやすくなります。自分の体力を過信せず、体調がおかしいと感じたらすぐに休むことが大切。

雪山の中にある山小屋など、ゆっくりと身体を休められる場所の把握は事前にしておきましょう。出発前に体調が良くないと感じたら、出発日の延期など臨機応変な対応が必要です。

冬の雪山は高山病にもかかりやすい

防寒着やネックウォーマーなどで口元を覆うことも多い冬の登山では、ただでさえ薄い酸素がさらに取り込みにくくなり高山病になる原因にも。

初心者は特にオーバーペースにならないことと、こまめな水分補給も大切なポイントです。

冬の雪山は自分の身は自分で守るしかない

美しい景色と引き換えに、たくさんの危険も潜む冬の雪山。自然と隣り合わせで過ごせる雪山は、魅力的ではありますがその景色を見ても命を落としてしまっては元も子もありません。

できる備えは全てした上で臨むことが必要です。決して自分の力や能力を過信せず、しっかりと情報収集して災害を防ぎましょう。

今回ご紹介した知識や対策は冬山登山やスノーアクティビティを楽しむ方だけでなく、冬に災害が起きてしまったり豪雪地帯に住む方にも当てはまる情報です。

災害はいつ起きるか分かりませんので、できることを今この瞬間から始めて行きましょう。

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