ダイビング中は水中にいるため、陸上では当たり前にできた喋るというコミュニケーション手段が取れません。
全てダイビング用のボードに文字を書いて伝えるか、もしくはハンドサインでお互いのコミュニケーションを取るしかありません。覚えておくと役に立つハンドサインを見ていきましょう。
水中で頻繁に使うハンドサイン7選
水中で声を出すことができないとはいえ、止むを得ず意思表示をしなければならない時が頻繁にあります。
ここで紹介するハンドサインは基礎的なことが多いですが、改めて見直しをして水中で意思表示ができないということがないようにしましょう。
「潜行」でダイビングスタート
片手の親指下に向けます。ボートダイビングや水面移動してから潜行するビーチダイビングでよく使われます。
エントリーポイントに到着してメンバー全員が揃い、息が整ったのを確認します。「潜行」のハンドサインをバディ同士でまたはガイドが出したのを確認したら潜行開始しましょう。
「OK?」最も頻繁に使うハンドサイン
いつも私たちがよく知っているOKサインはダイビング中も同じです。潜行してからすぐにバディ同士またはガイドさんが潜るメンバーに出します。
どこか不快感や痛みがないか?気分が悪くないか?を伺うために出しているので、何も問題がなければこちらも「OK」サインを出して、相手に自分は異常がないことを伝えましょう。
「ストップ」で一時停止
ガイドやバディが片手または両手で前を押すような仕草をしたら、一旦立ち止まりましょう。これは「ちょっと待っててね」というニュアンスでよく使われます。
メンバーの誰かに異常があり、その人ともう一人の人が浮上するため水中で待ってて欲しいときなどに使うことがあります。
とにかくこのハンドサインが出された時は、決して動き回ってはいけません。
「何か変だ」で違和感を伝えよう
ダイビングの最中に、体のどこかに異変を感じた場合はこのハンドサインを自分のバディかあるいはガイドに出しましょう。
違和感を感じる場所を指差し、そのあとに片手をひらひらと動かします。耳がよく抜けなくて耳が痛い場合は、痛い方の耳を指差してから片手でひらひらさせます。
「注目してね」でしっかり相手を見よう
ガイドがスキルのデモンストレーションをする際にこのハンドサインをすることがあります。
2本の指でマスクをつついた時は、「自分の方を見ててね」という意味なので、そのハンドサインを出した相手の方をしっかりと見ましょう。
残圧計を指さされたら残圧チェックして
ダイビング中にインストラクターから残圧計を示された場合、残圧はいくつかを伝えます。残圧の各桁を指で一つずつ教えます。例えば残圧が70ならば7と0を順番に、110ならば1と1と0を順番に示します。
「浮上」でダイビング終了
浮上する際にガイドやバディが親指を上に向けます。そのハンドサインが出たら浮上の合図です。正しい手順を踏みながらゆっくり浮上しましょう。
正しい手順とは、まずこのハンドサインが出たら、浮上時刻をダイブコンピュータで確認します。レギュレータの空気を排出するホースを上に向けながら、もう片方の手を上にあげます。
そして手を振り頭上に障害物がないことを確認しながらゆっくりと浮上します。浮上する周りの状況にもよりますが、深場で潜った際は水深5メートルの箇所で3分間の安全停止をしてから必ず浮上してください。
水中で稀に使うハンドサイン3選
この章で紹介するハンドサインは、普段のダイビングではあまり使用しないかもしれません。
しかしガイドがいないセルフダイビングをする際は、ダイビング計画から水中の自己管理まで全て自分たちで行わなければならないため、ここまで知っておく必要があるでしょう。
「バディと一緒に」をされたら周りを見て
ダイビングをしていると、ガイドさんから両手の人差し指を合わせたハンドサインが出されることがあります。これは「バディと一緒に潜ってくださいね」という合図です。
言われた通りに周りを見渡してみると、バディが意外と遠くの方で泳いでいることがあります。できるだけバディの近くで泳ぐよう、常に周りを見渡して状況を把握しておきましょう。
空気が少なくなったら「エアが少ない」の意思を
こういうことは決してあってはいけないのですが、残圧計をチェックするとすでにエアが0に近くなっていることがあります。その時はすぐに周りの人かバディにこのハンドサインを出しましょう。
片手を顎の下で左右に動かします。常に残圧計をチェックする習慣を身につけ、残圧が40以下になった時にこのハンドサインを送りましょう。
「空気をください」でバディの空気をもらおう
上記の「エアが少ない」に続きますが、エアが少なくかつ、安全停止などを含みすぐに浮上することができない場合、近くにいる人から空気を分けてもらいましょう。
手のひらで口に物を入れるような仕草で相手にエアを分けるよう意思を伝えます。
水面で使うハンドサイン2選
水面でもハンドサインを使用することがあります。主にボートダイビングで使用することが多いでしょう。水面からのハンドサインは、主にボートの上にいる人や岸にいる人に意思表示をするために使用することがあります。
沖合でのダイビングは岸に近い場所でのダイビングよりリスクが高いので、水面でのハンドサインもよく知り使い分けができるようにしましょう。
「OK、OK?」は2通り
ボートダイビングでボートにいる人か陸上にいる人に、手を頭の上に乗せて「OKです」または「OKですか?」と聞く時に使います。
片手を頭の上に上げるパターンと両手を上げるパターンの2種類があります。
緊急事態に助けを呼ぶハンドサイン
緊急事態に誰かに助けを求める際には、水面で両手を大きく振ります。波が荒い場合は手を振っても気がつきにくい可能性があります。
その際はシグナルフロートをあげます。ボートダイビングでは特に、シグナルフロートは決して忘れないように身につけておきましょう。
ハンドサインは潜るメンバー全員が知っていること
ハンドサインを学ぶことはもちろん大切ですが、一緒に潜るメンバー全員が知っていなくては意味がありません。
OWD(オープンウォーターダイバ)コースで必ず全員習う内容ですが、使わなければ忘れてしまうため、日頃から教科書を見直すことを忘れないでください。
また、ダイビング前の説明や計画をガイドからお話しされる時に「こういう時にはどうすれば良いか?」など打ち合わせをしておくと、水中のコミュニケーションで困る可能性を減らすことができます。
こちらの記事も読まれています
[nlink url=”https://arvo.showcase-tv.com/12411/”] [nlink url=”https://arvo.showcase-tv.com/20577/”] [nlink url=”https://arvo.showcase-tv.com/11872/”]