2015年の関東・東北豪雨や2017年の九州北部豪雨、さらに記憶にも新しい2018年6月の岡山・広島・愛媛を中心とした広範囲に及ぶ豪雨など近年日本では突発的な大雨が発生し、各地で非常に大きな被害をもたらしています。
防災グッズを準備している家庭も増えていますが、外出時の備えは万全でしょうか?今回は外出時に大雨に遭遇した時の備えや心構えをご紹介します。
日ごろからできる大雨・浸水への0次の備え
通勤中や仕事中、休日のお出かけなど一般的に1日の3割の時間を自宅以外で過ごしていると言われています。
いつどこで起こるか分からない災害に備えて、外出中にも防災グッズを持ち歩くことが推奨されています。
日ごろから準備しておくものを「0次の備え」と呼んでいます。外出時に災害にあった場合に一晩程度乗り越えるためのものを想定した備えをしましょう。
これは豪雨被害だけでなく、地震などの災害時にも有効です。
(1)“防災ポーチ”のすすめ
0次の備えとして「防災ポーチ」や「サバイバルポーチ」と呼ばれる、普段からカバンに入れて持ち歩く防災グッズを準備しましょう。
防災グッズといっても、ポーチなどに入れて持ち歩ける軽くてコンパクトなものです。
携帯したいものの一例としては、飴やチョコレートなどの携帯食や飲物、常備薬、生理用品、除菌シート、大判ハンカチ、携帯ラジオ、非常用ホイッスル、レインコート、エマージェンシーブランケットなどが挙げられます。
ハンカチやおやつ、除菌シートなど普段から持ち歩いているものも多いので、それにプラスして持ち歩くようにするだけで、万が一の時の安心につながります。
(2)ハザードマップで災害リスク情報を入手
ハザードマップは地図上で浸水想定区域や土砂災害警戒区域などを確認することができます。
自宅周辺だけでなく、職場周辺やお出かけ先の災害リスクを見ておくようにしましょう。
役場などで防災マップをもらえるほか、インターネット上やスマホアプリでもハザードマップを確認できます。
アプリでは現在地周辺の状況や避難場所も確認できるので0次の備えの一つとして事前にダウンロードしておくのもおすすめです。
雨の変化に注意して早めに避難などの正しい判断を
集中豪雨や局地的豪雨はいつどこで発生するか予想がしにくい場合が多いですが、梅雨期の終わりや前線が停滞している時期に起きやすいと言われています。
そして「空が急に暗くなる」「雷鳴や稲妻が発生する」「大きな積乱雲(入道雲)が見える」などといった現象が前兆とも言われています。
外出中には天気予報に注意し、空の変化に注意して早めに帰宅したり、安全な場所へ避難することが大切です。
(3)水が膝の高さを超えたら歩行困難になる
外出時に豪雨に遭った時、早く自宅に帰り家族の安全を確認したいと焦ります。電車やバスなどの交通機関は豪雨の影響で止まってしまう恐れもあります。
自力で歩いて帰宅しようと考えた時には帰宅経路にも注意が必要ですが、強風や浸水により歩行が困難な場合もあります。
そうした時には帰宅よりも安全な場所に避難することを優先してください。浸水をして水かさが増すと、水の流れも速くなり歩いて逃げるのが難しくなります。
成人男性でも膝の高さ(約50cm)を超えると歩行が困難になります。そうなる前に安全な場所へ避難して被害がおさまるのを待ちましょう。
(4)落雷の危険が高い場所に注意を
発達した積乱雲は豪雨だけでなく落雷の危険もあります。平地、海岸、山頂などの開けた場所では人体に直接雷が落ちる危険も高くなります。
屋外で雷に遭遇したらすぐにより安全な場所へ避難してください。
ゴルフ場やキャンプ場など平地での避難
雷は高いところへ落ちやすい性質があります。
ゴルフ場やキャンプ場、グラウンドなどの平地は周りに高い建物が無いのに落雷が多い理由は、その場にいる人間自身が、高い建物の代わり=雷の標的になっているからです。
釣り竿やゴルフクラブ、バットなどの長いものを体より高くつきだす行為も大変危険で、傘を雷雨中にさすのも落雷の危険があるため避けてください。
ゴルフ場では避難小屋などにすぐ逃げましょう。キャンプ場ではテントのポールに雷が落ちて感電する恐れもあるので、車の中やしっかりとした建物の中に避難するようにしてください。
高い木の下も、木に落ちた雷の電流が人体に移ることもあるので危険です。
被害を受けないためには木から4m以上離れて、上半身を前かがみにして、耳をふさいで頭を抱えるようにしゃがんでください。
海岸からはすぐに離れる
海にも落雷は沢山発生しています。高いものがない海上では人への落雷の危険性が増し、実際にサーフィン中に落雷を受けてしまったというケースもありました。
海水を伝って流れてきた雷に感電しておぼれてしまったという被害も報告されており、大変危険です。
雷だけでなく高波の被害なども考えられるため、天気の変化に気づいたらすぐに水から上がって避難しましょう。
(5)川辺には近づかない
大雨が降った場合、特に河川の増水によって人が流されたという事故のニュースをよく目にします。
河原でキャンプやBBQ、川遊びなどをしている方は万が一の場合を想定して早めに避難をしてください。帰宅中も川沿いなどは通らず、安全な道を使用しましょう。
急に雨が降ったからと言って橋の下で雨宿りをするのは大変危険です。豪雨による河川の増水は短時間の間で発生します。
また、大量の流木が橋に引っかかって、最悪の場合にははしごと流れてしまう恐れもあります。避難や雨宿りは水辺から離れた高いところへ。
(6)地下街や地下駐車場からの避難
地下街や地下駐車場、地下室などの地下空間での浸水は特に危険です。
出入り口から階段や斜路へ水が流れ込んで避難を困難にし、さらに流れ込んだ水でドアに水圧がかかって開けることができなくなる危険もあります。
地下では地上の様子が分かりにくく避難等の判断が遅れがちになります。館内アナウンスや係員の案内に従い早めに避難をしましょう。
また、携帯電話などで情報を確認し早めに行動をとるように心がけてください。
(7)自動車が浸水したらすぐに避難を
道路が浸水しているときに運転をするのは大変危険です。
水深が30cmに達するとエンジンが止まり、さらに水かさが増すと自動車から脱出できないまま自動車ごと流される危険もあります。
エンジンが停止すると窓ガラスを開けることもできなくなるため、自動車が浸水してしまったらすぐに外に出て避難してください。
万が一避難が遅れて車内に閉じ込められてしまったら、先のとがった特殊なハンマーでガラスを割って脱出します。
このようなハンマーを常備していない場合には座椅子のヘッドレストや傘などのとがった金属部分をドアとガラスの隙間に差し込んで、強く前に引いてガラスを割りましょう。
外出中の大雨防災も日ごろから備えよう
今回は外出中の豪雨への備えをご紹介しました。
外出先では十分な備えができずパニックになってしまう恐れもありますが、日ごろから最低限の備えをしたり、正しい判断ができるための知識を得るだけで、慌てず落ち着いた行動ができるようになります。
豪雨災害は正しい判断ができないと命の危険もある災害です。自宅での防災だけでなく、どこにいても身を守るための防災意識を身に付けましょう。
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