地震、洪水、土砂災害などへの備えは万全でしょうか。女性の場合、一般的な防災アイテムだけでは対応できない部分があります。防災アイテムや被災後の生活の工夫、防災ブックなど、女性視点の防災情報をご紹介しますので、ぜひ役立ててください。
揃えておくと安心できるアイテムと覚えておきたい工夫5選
防災リュックの中に入れておきたい女性特有のアイテムをご紹介します。生理用ナプキンはもちろんのこと、治安の悪化から身を守る行動などをご紹介します。
周期分の生理用品と下着
ストレスで、いつもと違うタイミングで生理になることも。1周期分は防災リュックに入れておきましょう。下着が洗濯できないときは、おりものシートが便利。シートを変えるだけで、衛生的に過ごすことができます。ブラは1枚、ショーツは生理用のものを含めて4枚程度用意しましょう。
タオルハンカチで作る簡易ナプキン
熊本の避難されているお母さん、
女性の皆さん!!ビニールとタオルで作れる、
簡易オムツ、簡易ナプキンの作り方の画像を載せます。#簡易オムツ#簡易ナプキン #熊本地震#お母さん #女性 #支援物資 pic.twitter.com/LLBfTQgp6N— ❤︎東江 万那美❤︎ (まーみー) (@marmy423) April 15, 2016
重ねたトイレットペーパーをタオルハンカチでくるめば、生理用ナプキンとして使用できます。1枚だけナプキンが余っているなら、その上にトイレットペーパーを重ねて使用してもいいでしょう。
顔が洗えないときはウェットティシュ
顔や体が洗えないときに役立つウェットティッシュ。アルコールタイプが苦手な方は、赤ちゃん用のお尻拭きが肌に優しくておすすめです。
犯罪から身を守る防犯ブザー
被災現場では治安の悪化を想定する必要があります。防犯ブザーを携帯し、できるだけ単独行動を避けましょう。他人の前でお金の話をしないようにすることも効果的です。
詳細は東京総務局公式サイト 東京くらし防災第3章P146~149へ
あると絶対役立つモバイルバッテリー
音信を確認したり連絡を取るのに必要なスマホですが、メールや電話だけではなく緊急時の使い道がたくさんあります。懐中電灯、鏡、ブザーの他、アプリを入れておけばラジオも聴くことも可能!
いざという時に充電切れとならないために、防災バッグには必ずモバイルバッテリーや手回し充電器を用意しておきましょう。スマホはとても使い道が多いので、できればバッテリーは容量が大きいものを選び、フル活用できるよう備えておくことが大切です。
重い荷物を持つ工夫を覚えておこう
重い荷物と軽い荷物を重ねて運ぶとき、重い荷物(重心)を上にした方が軽く感じます。登山をされる方はご存知かもしれませんが、非常持出袋(リュック)も詰め方ひとつで軽く感じ、楽に運ぶことができます。重い物は上の背中側に、軽い物は下の外側に詰めるのがコツです。ぜひ試してみてください。 pic.twitter.com/fWK3dn1I1Z
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) June 20, 2018
防災リュックの詰め方を変えるだけで、同じ重さでも軽く感じることができます。画像のように重いものは上の方に詰めるようにします。この知識は被災後の片づけにも役立つでしょう。
ライフラインがストップしても大丈夫!料理と生活の工夫7選
電気・水道・ガスのライフラインがストップしても、生き抜くための方法をご紹介します。一般的に、電気は7日、上下水道は30日、ガスは60日程度使えない可能性があります。しっかりチェックしておきましょう。
洗わなくていいお皿
食器や紙皿がある場合は、ラップをかければ洗わなくていい食器になります。また、新聞で作った入れ物をダンボールの下敷きに固定し、ビニル袋をかければ、熱々の汁物を入れることができる容器の完成。詳しい作り方はリンク先をご参照ください。
新聞紙で作るコップ
新聞紙で簡易コップを作成。インターネットで「新聞コップ」を検索し、画像を見ながら約2分間で作ることができました。買い物で貰えるビニール袋をかぶせれば水漏れの心配もなく、またビニール袋を交換すれば再利用可能で衛生的にも問題なし。いざというときの新聞紙の活用術です!! pic.twitter.com/IEnzUZk35Y
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) June 25, 2017
正方形に畳んだ新聞紙を何度か折り込むことで、コップ状になります。ここにポリ袋をかければ完成。詳しい作り方はリンク先をご参照ください。簡単に作ることができますよ。
ひんやりした水戻しカップ麺
昨年、水で作るカップ麺をご紹介しましたが、今回は水で作る「カップ焼きそば」に挑戦です!災害時を想定し、カップに注ぐ水の量は少なめ。麺が隠れる程度です。20分待ち、液体ソースをからめて完成!注いだ水が少ない分、いわゆる湯きりで流す水の量は少なくてすみました。麺の固さと味はバッチリ! pic.twitter.com/EnjU7e9TpI
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) June 28, 2018
カップ麺やカップ焼きそばは水でも作れます。コツは、ラーメンは麺に味のついたものを利用すること、焼きそばは既定より少なめに水をそそぐこと、どちらも長めに待つことです。ラーメンはさっぱりした冷やし麺の様になり美味しくいただけます。
モチっとした水戻しパスタで水とガスを節約
パスタを冷水に浸して1~3時間ほど冷暗所に保管。パスタが箸でつまんで持ち上がるくらいの硬さになったら、フライパンで温めたパスタソースと1~2分炒めます。モチっとした生パスタ食感が楽しめます。
ポリ袋を使って節水料理
鍋に湯を沸かして、一度に数種類のポリ袋料理を作りましょう。例えば、ホットケーキミックスに規定量より少ない水と卵代わりのマヨネーズで蒸しパン、レトルトカレーを温める、生米からご飯を炊くことも。残った鍋のお湯は、別の用途に利用することができます。
詳細は東京総務局公式サイト 東京くらし防災第3章P130~133へ
硬い瓶の蓋は叩いて開ける
瓶のふたが開かなくて困った時、瓶を逆さまにして手のひらで叩くという方法があります。瓶の底を叩くと振動が与えられ、それによって瓶とふたの間に空気が入り、あけやすくなるためです。原始的な方法ですが、災害時で手元に道具がないときには有効だと思いますので、一度試してはいかがでしょうか。 pic.twitter.com/K38lSVXkL3
— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) May 31, 2018
瓶の蓋が空かない場合は、瓶を逆さにして手のひらで叩きましょう。瓶が割れないように注意する必要がありますが、この方法で空く場合も。ぜひ一度お試しください。
ペットボトルと懐中電灯の照明
皆さん、お持ちの非常持ち出し袋に懐中電灯は入っていますよね?一工夫してランタンに替える活用術。懐中電灯の上に水を入れたペットボトルを乗せるだけで、光が乱反射して周りを照らすことができますよ。懐中電灯が小さい場合は
コップに入れてやってみてください。火を使わないので安全です。 pic.twitter.com/2g7jp5l6rR— 警視庁警備部災害対策課 (@MPD_bousai) March 1, 2017
懐中電灯の上に水のペットボトルを置くと、明るい照明になります。ペットボトルは凹凸のある複雑な形状の方が明るくなります。
被災後のケガから身を守る工夫2選
災害に合うと、屋内外に問わず危険な場面に遭遇する場合があります。ガラスが散乱した際の対応や、浸水した地域からの避難に有効な手段をご紹介します。
ガラスが割れたら毛布を敷こう
室内で窓ガラスや食器が散乱した場合は、毛布を敷きましょう。きちんとした片付けが終わるまでの安全地帯を確保できます。また、毛布は避難所でのプライベート空間の確保にも有効。隣との壁として利用できます。
ペットボトルのライフジャケット
浸水地域からの避難や洪水から逃れるために上階層へ避難した際に、心強いライフジャケット。薄手のTシャツとペットボトルで代用できます。
Tシャツを着て内側に空のペットボトルを入れ、外側からTシャツを挟み込んで蓋をします。500mlペットで大人は10本、子供は8本が目安。最後にTシャツの上からひもで結んでボトルを固定しましょう。
あらかじめ読んでおきたい女性視点の防災ブック4選
女性視点の防災ブックを入手して読んでおきましょう。お住いの自治体の防災ブックでなくても役立つ情報が満載。入手できない場合は、PDFで配布されているものをスマートフォンに保存しましょう。
具体的な実例が分かりやすい「東京くらし防災」
万一の被害を防ぐ日ごろの暮らし方、災害別の対処の仕方、被災後の料理や避難所での過ごし方など、防災から被災後までの情報が満載。多くの注意点が女性視点で記載されています。都内の方は無料配布されてますので、入手しておきましょう。
・配布場所詳細:東京都総務局公式サイト
・閲覧できるwebサイト:東京都総務局公式サイト
必要な防災アイテムが分かる大阪府豊中市「とよなか女性防災ノート」
妊婦・乳児・幼児・児童・中学生以上など、それぞれのケースに必要な防災アイテムが一覧表で確認できます。また、女性に配慮した避難所の運営ノウハウや、女性と防災についての書籍の情報が充実しています。
・閲覧できるwebサイト:一般財団法人とよなか男女共同参画推進財団 すてっぷ
色分けで読みやすい神奈川県川崎市「ひとり暮らしの女性のための防災BOOK」
「被災時の対応」はピンク、「基本の防災」はグリーン、「女性の防災」はオレンジとページ全体が色分けされ、必要な情報が探しやすくなっています。
特に「女性の防災」については、被災してすぐ・被災後3日間・避難生活のそれぞれに必要なものがまとめられています。またチェックリストが便利で、災害発生時に冷静に判断できるようになっています。
※トップページから「センター発行物」アイコンをクリックし、続いて「ひとり暮らしの女性のための防災BOOK」をクリックすると、PDF版のダウンロードページに進めます。
イラスト&写真入りの福岡県福岡市「女性の視点を活かした防災ミニブック」
イラストと写真が多く読みやすい冊子。特に普段の備蓄食料の例が豊富で、お子さんへの効果的な対応など実体験に基づいた説明もあります。災害別の行動もチャート形式で分かりやすく、いざという時に役立つでしょう。
・配布場所:福岡市役所情報プラザ(市役所1階)、各区役所情報コーナー、福岡市男女共同参画推進センター アミカス、子どもプラザ
・閲覧できるwebサイト:福岡市役所公式サイト
※トップページから「くらし•手続き」タブを選択し「人権・男女共同参画」をクリック、続いて「男女共同参画」、「「女性の視点を活かした防災ミニブック」作成しました!」をクリックするとPDF版のダウンロードページに進めます。
備えと知識を持って落ち着いて行動しよう
女性向けの防災情報をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。防災リュックに用意したいアイテムや、ライフラインがストップした際のご飯の作り方、女性視点の防災ブックなど、あらかじめ知っておくと心強い情報が満載です。被災時に落ち着いて行動できるように備えましょう。
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