2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、対面型の面接からWEB面接(ビデオ面接)に切り替える企業が増えています。
この記事では、WEB面接の基本的なマナーや面接時の注意点、準備方法について紹介します。
初めてのWEB面接で、「どんな点に注意すべきか」「NG例にはどんなものがあるか」を確認し、面接対策の参考にしてください。
WEB面接(ビデオ面接)とは
WEB面接とは、パソコンやスマホなどを使用してオンラインで行う面接方法です。
WEB面接で使用するツールとしてはZoomやSkypeなどが挙げられ、ビデオ通話で面接が行われます。
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症拡大の防止以外にも、WEB面接には以下のようなメリットがあります。
- 企業のメリット:遠方に住む優秀な人材を発掘でき、また採用に関わる時間や労力などのコストを削減できる
- 求職者のメリット:面接に出向く時間と交通費を削減でき、より多くの企業面接を受けやすくなる
WEB面接はオンラインで行う面接のため、パソコンやインターネットの通信環境などを事前に整備することが大切です。
WEB面接(ビデオ面接)の基本的なやり方・流れ
WEB面接の開始・終了の挨拶や、質疑応答、自己アピールなどは、対面型の面接と同じです。
ただし、企業によってWEB面接で使用するツールや進め方に違いがあります。
以下では、WEB面接の基本的なやり方と流れについて紹介します。
WEB面接(ビデオ面接)の基本的なやり方・流れ
- WEB面接の5分前には準備をしてログインする
- WEB面接の基本的な内容と流れ
- WEB面接の開始・終了時の挨拶も忘れずに
WEB面接の5分前には準備をしてログインする
WEB面接の5~10分前に企業から指定されたビデオ通話のツールを起動し、ログインします。
ビデオ通話のツールでは、画面上にログイン状況が表示されるため、約束の時間ギリギリにログインすると時間にルーズだと思われる可能性も。
またタイミングによっては、ビデオ通話のツールを起動すると同時にアップデートを求められ、すぐに面接を開始できないというケースも考えられます。
5~10分前を目安とし、できるだけ早めにログインや準備を行うようにしましょう。
WEB面接の基本的な内容と流れ
- WEB面接の5~10分前にビデオ通話のツールを起動して待機
- 採用担当者がビデオ通話ツールにログインしたら面接開始
- 対面型の面接と同様に自己紹介、自己アピールなどを行う
- 最後にお礼の挨拶をして、WEB面接が終了
WEB面接の内容や流れは、基本的に対面型の面接と同じです。事前に、自己紹介や自己アピールの準備を十分に行って臨みましょう。
面接では第一印象が重要です。WEB面接であっても、髪型や服装を整えて面接にふさわしい身だしなみで行いましょう。
また、WEB面接はビデオ通話で行われるため、音声が聞き取りづらかったり、印象や雰囲気が伝わりづらい場合があります。
そのため、WEB面接でははっきりとした声の大きさやジェスチャーを交えて話すこともポイントです。
WEB面接の開始・終了時の挨拶も忘れずに
WEB面接が終わったら採用担当者に頭を下げ、「本日はお忙しい中、ありがとうございました」などとお礼を言います。
直接面接と同じように、しっかりお辞儀をして挨拶してください。
最後に「失礼いたします」と言い、相手が通話を切断したことを確認してからログオフしましょう。
数秒間待って、相手が自分から通話を切断しないようなら、「こちらから切らせていただきます。失礼いたします。」と伝えログオフしてOKです。
WEB面接(ビデオ面接)のマナーと注意点
以下では、WEB面接における服装や髪、メイクのマナーと注意点を紹介します。
WEB面接(ビデオ面接)のマナーと注意点
- 清潔感のあるインナーにジャケットが基本
- 明る過ぎない髪色で長い場合はまとめる
- きちんとした印象のしっかりメイクがおすすめ
清潔感のあるインナーにジャケットが基本
対面型の面接と同じく、WEB面接でも第一印象が重要です。
面接で採用担当者に好印象を与えるためにも、清潔感のある身だしなみを意識しましょう。
WEB面接を受ける時の基本的な服装は、以下の通りです。
- 上半身は白系のシャツまたはブラウス
- ボトムスはスカートまたはパンツ
対面型の面接と同様に、リクルートスーツやビジネススーツが基本となります。シャツにシワがないか、スーツにホコリや汚れがないか事前に確認しましょう。
また、企業によっては私服での面接が許可されている場合もあります。そのような場合でも、過度の露出や派手な色合いの服装は避け、ビジネスカジュアルが無難です。
明る過ぎない髪色で長い場合はまとめる
WEB面接では、画面を覗き込む動作によって髪が顔にかかりがちです。そのため、長い髪はまとめて顔や表情が分かりやすくしましょう。
面接中、髪に手を当てる仕草は好感度を下げる要因になりかねません。特に顔回りの髪は、画面を通すとだらしなく見えることもあります。
面接担当者に表情がしっかり見えるよう、顔に髪がかからないヘアスタイルがおすすめ。髪色は明るすぎない暗めが無難です。
WEB面接のヘアスタイルは、そのまま仕事するとしても違和感がないかを基準に整えましょう。
きちんとした印象のしっかりメイクがおすすめ
薄いメイクのままWEB面接のカメラに映ると、ノーメイクのように見えることがあります。
WEB面接では、普段よりも少し濃いメイクを意識しましょう。ただし、派手すぎるメイクはNGです。
メイクのポイントは、顔の印象を左右しやすい眉をきれいに整えること。真面目さとやる気が演出できます。
アイシャドウやリップに普段よりも少し濃いカラーを選ぶこともおすすめ。
カメラ写りが心配な人は、メイクをした自分の顔が、鏡ではなく画面でどう見えるのか確認しましょう。
判断基準は、ビジネスシーンで社会人として相応しいかどうかです。
WEB面接(ビデオ面接)の失敗を防ぐ対策方法
WEB面接は、企業に直接足を運んで面接してもらうよりハードルが低いと感じる人も多いでしょう。
しかし、実際は対面型の面接以上に抜かりなく準備をする必要があります。
WEB面接の失敗を防ぐ対策方法をご紹介します。
WEB面接(ビデオ面接)の失敗を防ぐ対策方法
- 話す時はカメラに視線を向けることを意識する
- 室内の余計なものが映らないよう背景やカメラ角度を考慮する
- 自己アピールは最も伝えたいことを簡潔に
話す時はカメラに視線を向けることを意識する
使用するデバイスのカメラ部分の位置が低いと、画面上では採用担当者を見下ろしているように見えます。
一方、カメラの位置が低すぎると、伏し目がちで自信がなさそうな印象を与える可能性も。
パソコンやスマホを顔と同じか、顔よりも少し高い位置に調節してください。上半身がきれいに映る距離を保つことがポイントです。
WEB面接中は、画面ではなくカメラに視線を向けながら話すことを意識しましょう。
採用担当者と目を合わせようと画面を見る人は多いですが、相手には違うところを見ているように映ります。
また、WEB面接中にあちこち目線を動かすと、集中していないように見えてしまうため注意が必要です。
室内の余計なものが映らないよう背景やカメラ角度を考慮する
自宅の部屋でWEB面接を受ける場合には、画面の背景に生活感のあるものが映り込まないよう注意しましょう。
ハンガーにかけてある服や乱れたままのベッド、趣味のポスターなどは、WEB面接を受ける前に移動するか布などで隠しておきましょう。
WEB面接には、無地の壁が背景になる場所や部屋の隅などが適しています。
自己アピールは最も伝えたいことを簡潔に
自己アピールは、最も伝えたいことを簡潔に話すことがポイント。
限られた時間で、具体的な長所や強みを分かりやすく伝える必要があります。
たとえば、結論を先に示すなどが効果的です。
「私には〇〇という長所があり、〇〇の経験で活かしました。今後は〇〇したいです」と、応募先企業で活かせる自分の強みや熱意を簡潔にアピールしてください。
自己アピールしているはずが、いつのまにか志望動機を語っているなど、話が長くなることはNGです。
WEB面接(ビデオ面接)の当日までに準備が必要なもの
WEB面接で使用するパソコンやインターネット環境は、事前に本番を想定してテストしておくようにしましょう。
WEB面接(ビデオ面接)の当日までに準備が必要なもの
- パソコンあるいはスマホ、タブレット端末
- ネット接続環境とマイクのテスト
- 履歴書や職務経歴書などの応募書類
パソコンあるいはスマホ、タブレット端末
パソコンやスマホ、タブレット端末など、企業側とビデオ通話ができるデバイスはWEB面接に必須です。
スマホやタブレット端末でもWEB面接は可能ですが、音声や画像が安定している点でパソコンがおすすめ。
最近は、カメラとマイクを標準搭載しているパソコンがほとんどです。
スマホやタブレットは、ずれたり落としたりする危険性があり、WEB面接中に別の通知や着信が入る恐れもあります。
パソコンにカメラが付いていない場合は、USBなどで接続できるWEBカメラが必要になります。
ネット接続環境とマイクのテスト
WEB面接は、安定した通信環境で受けることがおすすめ。有線LANケーブルでネットに接続できる環境が理想的です。
有線LANケーブルに接続することが難しい場合は、事前にルーターの近くやWi-Fi電波が常に強い場所を探しましょう。
またWEB面接当日、声が聞き取りにくい、届きにくいことも予想されるため、イヤホンやマイクを用意しておくと安心です。
WEB面接を受けることが決まったら、家族や友人に協力してもらい、実際にビデオ通話を試しておくとよいでしょう。
- 映像に遅延がないか
- 音声が聞き取りやすか
- マイクがミュートになっていないか
WEB面接直前に焦って準備をすると、思わぬ失敗に繋がりかねません。余裕を持って、テストしておきましょう。
履歴書や職務経歴書などの応募書類
応募書類のコピーやWEB面接で予想される質問と回答を書いたメモなどは、事前に準備しておくことをおすすめします。
不測の事態が起こる可能性があることも想定して、採用担当者の連絡先も控えておくと安心です。
企業に関する資料や応募書類は、事前に印刷して手元に置いておくか、パソコン画面などに貼り付けておきましょう。
ただし、資料を頻繁にチラチラ見たり、WEB面接中にめくったりする音が聞こえることはマイナス。
履歴書や職務経歴書に書いたことは、何も見なくてもスムーズに答えられるようにしておくことが大切です。
やむを得ず資料を見る必要があるときは、サッと目を通すか、顔の角度や目線をなるべく変えないよう確認するなど工夫しましょう。
【Q&A】WEB面接(ビデオ面接)の多い質問
以下では、WEB面接を初めて受ける人に多い質問と回答を紹介します
【Q&A】WEB面接(ビデオ面接)の多い質問
- WEB面接を行う場所は自宅以外でもいい?
- WEB面接でイヤホンを使っても大丈夫?
- WEB面接でカンペは使わないほうがいい?
WEB面接を行う場所は自宅以外でもいい?
WEB面接は企業から指定がない限り、自宅以外でも受けられます。
しかし、公共施設、公園、カフェなど、人が多く、騒音が気になる場所はNG。
パソコンは持っていないけれど、WEB面接をスマホやタブレットで受けるのが不安な人は、音がしっかり遮断できるネットカフェやレンタルスペースなどの個室がおすすめです。
WEB面接でイヤホンを使っても大丈夫?
WEB面接でイヤホンを使うことは問題ありません。
イヤホンやヘッドホンを使えば、相手の声がクリアに聞こえ、自分の声も伝わりやすいというメリットがあります。
採用担当者が、イヤホンやヘッドホンを使っている可能性もあります。
ヘッドホンとマイクが一体になったヘッドセットも、音質が良いため人気です。
WEB面接でカンペは使わないほうがいい?
WEB面接では、カンペを見ながら面接が受けられます。
志望動機、自己アピールなどのメモを手元に置いたリ、パソコンに貼っておけば、緊張で頭が真っ白になったときでも応対が可能。
安心できるため、明るく堂々とした印象を与えられるというメリットもあります。
ただし、カンペを見るときの目線は目立つため、採用担当者に「メモを見ながら話している」と気付かれてしまう可能性も。
WEB面接を受けている最中は、あまりカンペを意識せず、しっかりカメラを見て受け答えすることが大切です。
どうしても使いたい人は、カメラの近くにカンペを配置したり、目線の延長にある壁にカンペを貼り付けるなど、目線が不自然にならない工夫をしましょう。
WEB面接(ビデオ面接)を成功させよう!
WEB面接の基本的な内容からメイクや服装、準備のポイントについて紹介してきました。
ここまで紹介してきたポイントを改めて整理します。
- WEB面接で使用するビデオ会議ツールの動作状況を確認しておく
- 服装はリクルートスーツやビジネススーツが基本
- 私服OKの場合には、露出の多い服装や派手な色合いの服装を避ける
- 顔や表情が分かりやすいよう、長い髪はまとめて、メイクはいつもより少し濃いめを意識する
- 自宅でWEB面接を受ける場合は、背景に生活感のある物が写り込んでいないか確認する
WEB面接であっても、面接の流れや抑えるべきマナーは対面型の面接と同じです。
しかし、WEB面接はインターネットやビデオ会議ツールを使用しオンラインで行うため、事前に準備すべきことがあります。
本記事で紹介した服装やメイクのマナー、準備のポイントを参考にし、WEB面接の対策を行ってみてください。