損してない?転職前後の失業保険・就職給付金を獲得する全知識

     
損してない?転職前後の失業保険・就職給付金を獲得する全知識

「会社を辞めて転職活動中だけど、出費がかさむ……」
「結婚や出産で仕事を辞めるけど、生活費が足りるか心配……」
会社を辞めるときには、お金に関する悩みがどうしてもつきまといます。

仕事を辞めたときにもらえる「失業保険」は知っている方も多いと思いますが、ほかにも退職時や転職活動時、再就職時にもらえるお金があるってご存知でしたか?

制度の存在を知らないと、せっかく使えるチャンスをみすみす逃し、損してしまうことにもなりかねません。

そこで今回は、転職前後にもらえる失業保険や就職給付金について徹底解説! 結婚や出産、育児のタイミングで使える制度もありますので、ぜひ最後までご覧下さいね。

目次

転職前後の失業保険・就職給付金を獲得する全知識の要約

失業保険・就職給付金について知っておくべきこと
  • 退職後や転職活動中、再就職後に利用できる給付金は主に6つ
  • 育休中に退職した場合でももらえる「育児休業給付金」や託児サービス利用時に使える「求職活動関係役務利用費」などがある
  • 損をしないように、各制度の概要を理解しよう

転職前後にもらえる「6つの給付金」

転職前後にもらえる「6つの給付金」

退職や転職をする際にお金がもらえる制度としては、主に以下6つのようなものがあります。

  • 「失業保険」退職してから就職先が決まるまでにもらえるお金
  • 「再就職手当」失業保険をもらっている人が、早めに就職が決まったときに受け取れるお金
  • 「育児休業給付金」育休中にもらえるお金。育休中に転職・退職した場合でももらえる場合あり
  • 「移転費」転職活動で引越しが必要になったときにもらえるお金
  • 「求職活動関係役務利用費」転職活動中に保育サービスを利用したときにもらえるお金
  • 「就業手当」就職先が1年未満の短期契約のお仕時にもらえるお金

損しないためにも、しっかり知識をつけていきましょう。

ここから、それぞれの詳細を解説していきます。自分が使える給付金がないか、ぜひチェックしてみて下さいね。

給付金① 「失業保険」は転職活動中にもらえる

給付金① 「失業保険」は転職活動中にもらえる
失業保険とは、仕事を失ったり退職したりした際に、生活費の一部として毎月お金がもらえる制度。正式名称は「雇用保険制度」の「基本手当」です。

「失業保険」について知る

  • 失業保険は雇用保険を払っていた人がもらえる
  • 失業保険はもらえるまで1週間~3ヶ月程度かかる
  • 失業保険がもらえる期間は90日~360日
  • 出産予定や介護のため退職する場合は最長4年間失業保険がもらえる
  • 失業保険はいくらもらえる?

失業保険は雇用保険を払っていた人がもらえる

失業保険は雇用保険を一定期間以上(※)払っていた人がもらえます。

しかし、雇用保険を支払っていたことに加え、以下の条件に該当する必要があります。

失業保険を受け取るための条件
  • 積極的に就職しようとする意思があり、就職できる能力(健康状態・環境など)があること
  • 積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていないこと
  • 雇用保険の受給手続きを行っていること

雇用保険は自動的にもらえるわけではありません。ハローワークでの手続きが必要です。

※一定期間:退職理由によって異なります。自己都合退職の場合は、離職日以前の2年間に通算12ヶ月以上。会社都合退職の場合は離職日以前の2年間に通算6ヶ月以上。

失業保険はもらえるまで1週間~3ヶ月程度かかる

また、失業保険は退職してすぐにもらえるわけではありません。失業保険を受け取れるタイミングは次のようになっています。

失業保険を受け取るタイミング
  • リストラなどの会社都合退職:受給が認められてから7日後
  • 自己都合退職:受給が認められてから7日+3ヶ月後

失業保険がもらえる期間は90日~360日

失業保険が支給される日数は90日~360日の間です。

どのくらいの期間失業保険を受け取れるかは、離職理由や年齢、雇用保険に入っていた期間などによって異なります。

詳細はハローワークのホームページでご確認下さい。

ハローワークインターネットサービス – よくあるご質問(雇用保険について)

出産予定や介護のため退職する場合は最長4年間失業保険がもらえる

出産予定のある方や、退職してご家族の介護をされる方に、ぜひ知っておいて頂きたい知識があります。

失業保険がもらえる期間は原則、退職日から1年間となっています。しかし失業保険をもらっている間に、妊娠や出産を経験したり、ご家族の介護をしたりする方は、受給期間を最長4年まで延長できるのです。

手続きにはお住まいのエリアを管轄するハローワークへの申請が必要です。

失業保険はいくらもらえる?

失業保険でもらえる金額は、前職でもらっていた月給の50~80%と考えて下さい。

ただし、日額の上限として29歳以下は6,815円、30歳~44歳は7,570円、45歳~59歳で8,330円と設定されています。(2020年5月現在)

給付金② 「再就職手当」は早く就職が決まったらもらえる

給付金② 「再就職手当」は早く就職が決まったらもらえる
「給付金①」として紹介した失業保険は転職期間中の生活費がもらえる嬉しい制度ですが、転職が決まり働きはじめるともらえなくなります。

本来もらえるはずのお金が受け取れなくなってしまうので、なんだか損したように感じませんか?

ですがご安心下さい。そんなときのために、早めに就職が決まった人がもらえる給付金「再就職手当」があります。

「再就職手当」について知る

  • 失業保険を全部もらっていないときにもらえる
  • 「再就職手当」は残りの失業保険の60-70%がもらえる

失業保険を全部もらっていないときにもらえる

「再就職手当」とは、「給付金①」で紹介した失業保険をもらっている人が、もらえる金額をすべて受給する前に就職が決まった場合に受け取れる給付金です。

具体的には、失業保険の残額が1/3以上残っているときに場合にもらえます。

例えば、最長で90日間失業保険をもらえる人であれば、もらいはじめて60日より前に就職が決まった人が受け取れます。

失業保険を申請している人しか申請できないので、辞める前から就職先が決まっていた人や、そもそも申請をしていなかった人はもらえませんので、注意して下さい。

「再就職手当」は残りの失業保険の60-70%がもらえる

では実際のところ、「再就職手当」はいくらもらえるのでしょうか。

就職したタイミングによって、計算式が少し変わりますが、「再就職手当」はまだもらっていない失業保険の残りの60~70%ほどもらえます。

具体的には、次のような計算式となっています。

再就職手当の計算方法
  • 所定給付日数の3分の1以上残して再就職した場合は、失業保険の残りの60% ※基本手当日額×支給残日数×60%=再就職手当
  • 所定給付日数の3分の2以上残して再就職した場合は、失業保険の残りの70% ※基本手当日額×支給残日数×70%=再就職手当

例で考えてみましょう。

失業保険をトータル90日間もらえるはずだったAさん。毎日5,000円の失業保険をもらっていたとします。
失業保険をもらいはじめて50日経過したときに、就職が決定しました。支給残日数は40日なので、3分の1以上残して再就職したことになります。

この場合Aさんがもらえる再就職手当は、「5,000円(毎日もらえる失業保険の金額)×40日(残日数)×60%」となります。

給付金③ 「育児休業給付金」は育休中・育休直後に退職してももらえる

給付金③ 「育児休業給付金」は育休中・育休直後に退職してももらえる
育児休業給付金は、企業に属している育児休暇中の方が申請することでもらえます。

復職するまでのサポートが主 目的の給付金です。「給付金② 再就職手当」と同様に、雇用保険に加入していた場合にもらうことができます。

そして今回覚えて頂きたいのが、育児休業給付金は以下のケースでも受け取れることです。

  • 育休中にやむをえず退職した場合
  • 育休終了と同時にやむをえず退職した場合

「育児休業給付金」について知る

  • 育児休業給付金がもらえる条件は「復帰するつもりであること」
  • 育児休業給付金はいくらもらえるの?
  • 育児休業給付金は場合によって2歳までもらえる
  • 育児休業給付金は男性でも使える

育児休業給付金がもらえる条件は「復帰するつもりであること」

より詳細に、育児休業給付金をもらえる条件について確認しておきましょう。

育児休業給付金をもらうには、「育休終了後に復職するつもりであること」が条件となります。

そして事情により、育休中や育休終了と同時に退職した場合も、引き続き育児休業給付金を受け取れるのです。

育休を取得した時点ですでに復職するつもりのない方は、育児休業給付金をもらうことはできません。

育児休業給付金はいくらもらえるの?

育休給付金の1ヶ月分の金額は、次の計算式で算出されます。

育児休業給付金の計算式
  • 育休開始から6ヶ月以内…休業開始時賃金×支給日数×67%
  • 育休開始から6ヶ月経過後…休業開始時賃金×支給日数×50%

育児休業給付金は場合によって2歳までもらえる

育児休業給付金をもらえる期間は原則1年となっています。しかし延長を申請することができ、認められれば子どもが2歳になるまで給付金を受け取れます。

ただし、以下2つのケースどちらかに該当することが必要です。

  • 保育所などの保育サービスに申し込みをしているけれど、子どもが1歳6ヶ月になった時点で保育所が決まっていない場合
  • 子どもが1歳6ヶ月になった時点で、配偶者のひとりがケガや病気などで養育しづらくなった場合

待機児童問題に直面したり、パートナーがアクシデントに巻き込まれたりした場合に使える制度です。困ったときには延長をご検討下さいね。

育児休業給付金は男性でも使える

育児休業給付金は女性しかもらえないわけではありません。もちろん男性でも育児休業給付金が使えます。

そして男性にとって重要なのは、女性とは育児休業給付金を使えるタイミングが異なることです。

女性の場合、そもそも出産の翌日から8週間は就業することができないと労働基準法で定められています。

そのため育児休業給付金がもらえるのは、出産後8週間の産後休業終了後です。

しかし男性の場合は、出産予定日から育児休業給付金を受け取れます。なぜかというと、産後すぐに奥さまをケアできるようにするためですね。

また、配偶者の出産後8週間以内に男性が育児休業を取得した場合には、再度の取得も可能になります。

どんな風に休暇をとるのかパートナーと相談される際には、以下の厚生労働省のホームページも参考にしてみて下さい。

育児休業制度とは|男性の育休に取り組む|育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト

育児休業給付金に関する詳細な説明や、子育てに利用できる育児休業給付金の制度紹介、育休取得に関するいろいろなパターンなど、役に立つ情報を紹介しています。

給付金④ 「求職活動関係役務利用費」で転職活動中に保育料を補填できる

給付金④ 「求職活動関係役務利用費」で転職活動中に保育サービスを補填できる
「求職活動関係役務利用費」とは、就職活動中に保育サービス等を利用し、子どもを預けたときにもらえる補助金のこと。

例えば企業との面談や面接、選考試験など、就職活動には子どもを保育園などに一時的に預けなければならないシーンが多くありますよね。

そんなときに役立つのがこちらの制度です。

「求職活動関係役務利用費」について知る

  • 面接や説明会参加・職業訓練期間中に使える
  • 「求職活動関係役務利用費」は保育サービスの80%、1日6,400円までもらえる

面接や説明会参加・職業訓練期間中に使える

この制度は「給付金①失業保険」をもらっている人が対象となります。

そして、就職活動時に一時預かり保育などの保育サービスを利用した場合、料金の一部を補助してもらえます。

この場合の「就職活動」とは、面接や筆記試験などの就職活動中はもちろん、

  • 個別相談ができる企業説明会
  • ハローワーク等での職業相談
  • 公共職業訓練

などにも使えます。オトクな制度ですので、どんどん利用しましょう。

「求職活動関係役務利用費」は保育サービスの80%、1日6,400円までもらえる

求職活動関係役務利用費は、保育サービス利用料をどのくらい負担してくれるのでしょうか。

「求職活動関係役務利用費」でもらえるお金は、原則として本人が負担した費用の80%となっています。

ただし、支給上限額も決まっています。支給上限額は1日あたり6,400円までです。

保育料金が1万円以上するような場合でも、上限6,400円までの支給となります。

給付金⑤「移転費」は就職のときの引越し代などを出してくれるお金

給付金⑤「移転費」は就職のときの引越し代などを出してくれるお金
こちらはあまり知られていませんが、実はかなりおトクな制度です。

移転費とは、就職によって遠方に引越しが必要な際に、引越しの費用を補助してくれる制度です。

「移転費」について知る

  • 往復4時間以上かかる場合は移転費の対象になる
  • 「交通費」「移転料」「着後手当」がもらえる。家族同伴ならさらにプラスに
  • 主な対象はハローワークで紹介された求人

往復4時間以上かかる場合は移転費の対象になる

移転費がもらえる条件は、以下4点です。

移転費を受け取るための条件
  • 雇用保険の受給資格者であること
  • ハローワークで紹介された企業に就職が決まった方、もしくは職業訓練を受ける方
  • 今住んでいる場所から通う場合、往復4時間以上かかること
  • 就職先の事業所や職業訓練の訓練施設から、就職準備金や引越しにかかる費用が支給されない、もしくは移転費よりも少ないこと

「交通費」「移転料」「着後手当」がもらえる。家族同伴ならさらにプラスに

移転費としてもらえるのは「交通費」「移転料」「着後手当」の3点です。

そして覚えておいて頂きたいのが、いずれの場合も本人のみならず、一緒に移動する親族の分ももらえます。つまりパートナーや子どもと一緒に引越しする場合に、家族の分も移転費をもらえるんです。

  • 「交通費」では、今お住まいの場所から引越し先までのルートについて常識的な経路でいった場合の電車賃、船賃、航空運賃、車賃をもらえます。
  • 「移転料」は、引越し先までの距離に応じてもらえるお金です。一定の金額もらえます。
  • 「着後手当」は、単身の場合は距離によって38,000円か47,500円。家族をともなう場合は76,000円もらえます。

すべて合計するとかなりの金額になりますので、もらわなければ損ですよ。

主な対象はハローワークで紹介された求人

対象となるのは、主にハローワークが紹介した職業になります。

ちなみにハローワーク以外の職業紹介事業者からの紹介時にもこの制度は使えるのですが、どの職業紹介事業者の場合利用できるのかについてはハローワークに確認してください。

給付金⑥ 「就業手当」は転職先が1年未満の契約だった場合もらえる

給付金⑥ 「就業手当」は転職先が1年未満の契約だった場合もらえる
就業手当とは、就職が決まった会社での仕事が1年未満の契約だったときにもらえるお金です。

ちなみに「給付金② 再就職手当」も似たような趣旨の就職給付金ですが、再就職手当は「1年以上の契約」の際に利用できます。

「就業手当」について知る

  • 失業保険が3分の1以上かつ45日以上残っているときに使える
  • 就業手当は最大1,833円/日もらえる
  • 就業手当は申請しないほうがいい場合もある

失業保険が3分の1以上かつ45日以上残っているときに使える

就業手当は、失業保険の日数が3分の1以上かつ45日以上残っているときにもらえます。

例えば、90日の受給期間がある人が、30日経過後に短期のお仕事を始めることになった場合などですね。

また、短期の契約が終わった後に失業保険の残日数がある場合は、再度失業保険がもらえます。

就業手当は最大1,833円/日もらえる

就業手当では、「給付金① 失業保険」で毎日もらえる金額の30%をもらえます。

ただし上限金額が定められており、60歳以下の場合1,833円です。

就業手当は申請しないほうがいい場合もある

「就業手当」の申請は任意ですが、「もらったほうがトク」だと思ってしまいますよね。

ですが、申請しないほうが良い場合もあります。その理由は、「就業手当」を受け取った日数分、失業保険の受給日が減ってしまうからです。

就業手当をもらうか失業保険を長くもらうか、どちらがオトクなのでしょうか?

その判断基準は、決まった仕事の最終出社日にあります。

決まった仕事の最終出社日が失業保険の受け取れる期間の最終日を過ぎていれば、就業手当を申請するほうがオトクなことが多いといわれています。

例えば、残り50日間失業保険の受給期間が残っているときに、6ヶ月の臨時の仕事をした場合。6ヶ月が過ぎた後、失業保険の期間は終わっていますので、この場合就業手当をもらうほうがおトクになる場合がほとんど。

逆に失業保険がもらえる期間の最終日よりも早く臨時の仕事が終わる場合、一般的に就業手当を申請しないほうが多く手当がもらえます。

損しないために、失業保険、就職給付金の知識を持って転職活動をしよう

損しないために、失業保険、就職給付金の知識を持って転職活動をしよう
今回は転職前後で使える6つの失業保険・就職給付金制度を紹介しました。

「知識があれば、生活の支えになったのに」「申請していなかったから損をした」なんてことがないように、しっかり失業保険、就職給付金の知識をつけて、賢く・おトクに就職活動をしましょう。

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