ダイビングを始めたばかりのとき、多くのダイバーが悩まされることの一つに中性浮力があります。
中性浮力がうまく取れないのは水中という環境に慣れていないからということもありますが、自分の身につけている器材をもういちどよく見直してみる必要があるかもしれません。ダイビングで中性浮力をとるコツをウエイトに重点を置いてご説明します。
中性浮力を取るための3つのポイント
ライセンスを取る際にインストラクターから説明があったはずですが、中性浮力が取れているとは水中の中層あたりで浮も沈みもしない止まった状態を保つことを言います。
中性浮力が取れればいっそうダイビングを快適にすることができますし、行きたい方向へ進むことができるので、ストレスを感じることがグッと少なくなります。
1.適正ウエイトで中性浮力の取りやすさが変わる
中性浮力を身につけやすくする要素にウエイトの量があります。適正ウエイトで潜っているかどうかで中性浮力の取りやすさが断然違ってきます。
ウエイトが重すぎれば当然身体が沈んで直立の姿勢になりやすくなりますし、浮力を確保するために大量の空気が必要となり空気の消費量が多くなってしまいます。
2.安全停止の必要性
ボートからのエントリーなどで深場まで潜った場合に、必ずエキジットの直前で安全停止を5分間する必要があります。体内にたまった窒素を体内の組織から排出しなければならないからです。
適正ウエイトを付けなければ、安全停止を行う水深5メートル地点で留まることが困難になります。備え付けのロープがあればつかまりながら留まっていられるのでいいですが、もしもロープがなかった場合は急浮上してしまうか、沈まないよう上へと足を漕ぎ続けなければならなくなります。
3.ウエイトベストがおすすめ
スーツの上から身につけるウエイトベストがおすすめです。上半身が浮いて姿勢が取りづらい人にはウエイトベストを身につけるとよいでしょう。
ウエイトの入ったベストを上半身に取り付けるため、腰に巻いたウエイトと釣り合いがとれて自然と水平の姿勢がとりやすく楽になります。なかなか水平の姿勢がとりづらいという方へおすすめです。
適正ウエイトを見極めるコツ
適正ウエイトを見極めるにはどうすればよいのでしょうか?もちろんインストラクターと相談して決めてもよいのですが、自分の身体のことを一番よく理解しているのは自分ですから、できるだけ自分の判断で決められるようになるといいですね。
適正ウエイトは水面でわかる
潜行する前に水面で少し待っている時間があります。そのときにBCDジャケットに空気がたくさん入って身体が浮いている状態です。その状態からBCDジャケットの空気を全て抜いてみましょう。ドライスーツを着ている場合はドライスーツの中の空気を極力抜くようにします。
空気を全て抜いた際に、頭のてっぺんはどこに来ているでしょうか?まったく沈まず水面から出たままの場合はウエイトが軽すぎます。すぐにインストラクターから追加のウエイトをもらった方がよいでしょう。
反対にすぐに身体がどんどん沈んでしまう場合は、ウエイトが多いつまりオーバーウエイトなので、次回のダイビングからウエイトを減らすかまたはその場でインストラクターにウエイトを渡しましょう。
タンク・スーツの種類で適正ウエイトが異なる
だいたいの適正ウエイトを見極められたとしても、ドライスーツとウェットスーツそしてアルミタンクかスチールタンクかによっても適正ウエイトが異なります。そしてドライスーツを着た場合、中にどれだけ着込んでいるかによってもウエイトが異なります。
スーツにおいてはウェットスーツよりもドライスーツの方がウエイトを多くする必要がありますし、スチールタンクよりもアルミタンクの方がウエイトを重くする必要があります。
オーバーウエイトに頼らない
すぐに潜行できるからといって必要以上にウエイトを付けてしまう人がいます。ウエイトはあくまでスーツによって得てしまう浮力を相殺するために物なので、BCDやスーツの空気がない状態で頭のてっぺんが水面近くまでくるよう沈めていれば十分なのです。
オーバーウエイトにしてしまうと、快適なダイビングにならないばかりでなく危険が伴う場合があります。BCDやスーツの空気を全て抜いた際に沈む速度が速くなってしまい、耳抜きが追い付かず耳を傷めてしまう恐れがあります。
またウエイトが多いとそれだけ身体が沈みやすくなってしまうため、中性浮力をとるためにBCDやスーツにそれだけ多くの空気を入れる必要があり、早めにエア切れになってしまいます。ウエイトは必要最低限でよいのです。
適正ウエイトを見直して中性浮力をとろう
身につける器材やスーツによって適正ウエイトが異なります。慣れてくれば、だいたい自分はどれくらいのウエイトで潜行することができるのかわかるようになってきます。それにはインストラクターに相談しつつ、いろいろな重さで試して潜ってみるのが一番です。
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